薬の臨床
妊娠初期における妊婦血清中hCSおよびα—Fetoprotein測定の臨床的意義
水野 金一郎
1
,
柵木 昌劭
1
,
花田 征治
1
,
真野 哲郎
1
,
万歳 稔
1
Kinichiro Mizuno
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室
pp.173-176
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205572
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絨毛のsyncytial trophoblastから分泌されるhumanChorionic Somatomammotropin (hCS)は日内変動も少なく,半減期も短かく(15〜30分),従って血中hCSが直接的に絨毛活性を反映している可能性があり,有力な絨毛検査法の一つとして近年重要視されてきている。一方,肝癌患者の血中に発見されたα—Fetoprotein (AFP)は,その後において妊婦血中にも微量ながら証明され,やがて本物質は胎児由来の蛋白の一つであることがわかった。従って母体血中におけるAFPは胎児情報の一つと考えられる。
そこでわれわれは妊娠初期における妊婦血中のhCSおよびAFPを測定することによって,妊娠初期における切迫流産の予後判定並びに胞状奇胎との鑑別診断に対する有用性について検討し,若干の知見を得たので報告する。
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