原著
電気円錐切除術(E.C.)の組織におよぼす影響ならびにその組織診断上の価値について
佐伯 政雄
1
,
浜田 宏
1
,
豊田 秀則
1
,
長尾 秀子
1
,
青木 信行
1
,
林 方也
1
,
近藤 慶明
1
,
斎藤 馨
1
Masao Saeki
1
1聖マリアンナ医大産婦人科学教室
pp.547-557
発行日 1974年8月10日
Published Date 1974/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205065
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外観上一見子宮腟部びらんと思われる子宮頸腟部の病変に関する最大の問題点は,治療よりもむしろ治療方法の撰択に必要な診断の確立すなわち単なるびらんと,びらんの所見を呈する変化の内に潜在する可能性のある前癌性変化(dysplasia),上皮内癌(ca. in situ),微癌〜早期侵潤癌(microcarcinoma〜early invasve carcinoma)あるいは侵潤癌(invasive carcinoma)などとの確実な判別である。換言すれば単なるびらんに過ぎないか,癌性変化を伴うかの鑑別である。
癌の早期診断方法には数多の方法が現実に考案実施されているが,現段階における最終確定診断(final defini—tive diagnosis)は,組織診断に拠る以外には不可能といわざるを得ない。しかもその組織診は,変化の可能性ある全領域の連続切片組織診による検索を行なわないかぎり,癌性変化の存在を否定することは不可能である。
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