総合講座 産婦人科と循環
子宮胎盤循環
日高 敦夫
1
,
黒住 晃司
1
,
駒谷 美津男
1
,
須川 佶
1
Atsuo Hidaka
1
1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.369-376
発行日 1974年5月10日
Published Date 1974/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205038
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
周産期における胎盤機能が,胎児の生命と出生後の発育に重大な影響をもたらすことを配慮する時,このvital organの正常機能維持,すなわち物質交換とホルモン産生などの働きに根底をなす子宮胎盤循環の動態を解明することは,周産期医学における最も重要な課題の一つとなろう。
児の生命保持に最も重要な物質の一つである酸素は,解剖学的にはFickの原理に従い,placental membraneをsimple diffusionにより通過するが,適切な酸素の供給には効率の良いchemical solutionの型として十分な血液が流れることが必須条件となる。この意味合いよりして,子宮胎盤循環の病態生理を検索することはfetaldistressの予防ならびに治療面の発展に大きな意義をもつものと理解される。
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.