Modern Therapy Modern Therapyの反省
妊娠中毒症における降圧剤・利尿剤投与の功罪
須川 佶
1
,
北中 孝司
1
,
駒谷 美津男
1
,
日高 敦夫
1
Tadashi Sugawa
1
1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.861-865
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206526
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妊娠中毒症の病態はさまざまな方向から検討されてはいるが,その成因は明らかとされず,したがって妊娠中毒症の治療もなお対症療法の域を脱し得ず,薬物療法の母児に与える影響もまだ整理されていない現況にある。
最近,妊娠中毒症患者の多くにhypovolemiaを伴うことが認められ1,2),それが治療面において十分に考慮されねばならないことが指摘されるにいたった。すなわち,いままで比較的一般に行なわれていた本症患者に対する降圧利尿剤の適用は,hypovolemiaを増悪させる因子として再検討され,逆にplasma volume expansion療法が効果的であるとする報告3)もみられる。
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