薬の臨床
mini-pillとしてのSC 11800ME使用についての検討
鈴木 雅洲
1
,
高橋 克幸
1
,
新藤 邦雄
2
Masakuni Suzuki
1
,
Katsuyuki Takahashi
1
,
Kunio Shindo
2
1東北大学医学部産科婦人科学教室
2公立気仙沼総合病院産婦人科
pp.165-172
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205004
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Pincusにより開発されたEnavidが1961年からアメリカで使用され始めてから,合成gestagenによる避妊の研究は各方面で検討されるようになつた。その結果,現在では30数種類におよぶいろいろなステロイド避妊薬が開発されたが,それに伴いこれら経口避妊薬の副作用による影響も強調されるようになり,一時は大きな社会間題として各方面で論議の対象となつた。しかし,それにもかかわらず世界的な皺勢としては,ステロイド避妊薬の使用者は依然として多く,副作用の問題提起によりさらに新しい副作用の少い経口避妊薬の開発が促進された結果,世界的には経口避妊薬の使用者が減少しているという報告はない。それにもまして,世界人口の増加により将来おこるであろう種々の社会問題を防止するため,経口避妊薬の開発を積極的に行ない,普及させようという意見が有力である。
最近は副作用の点から新しい型の経口避妊薬が開発されているが,効果の確実性の面からみると未だ明確な答が出ていないのが現状である。最近われわれは,SC−11800M.E.(微量のethynodiol acdateならびに同剤とethinyl estradiolの合剤よりできている)を例数は少いが比較的長期に亘り経口避妊薬として用い,また,月経周期異常の治療にも応用したので,それらの成績をも加え,mini-pillについての考按を行なつた。
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