特集 絨毛性腫瘍の化学療法
奇胎後における制癌剤の予防的投与
前田 一雄
1
,
川野 秀昭
1
,
和田 卓人
1
,
熊本 熙史
1
Kazuo Maeda
1
1九州大学医学部産婦人科教室
pp.299-303
発行日 1967年4月10日
Published Date 1967/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203677
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はじめに
胞状奇胎(以下奇胎)の娩出,または内容除去術ののちには,絨毛上皮腫(以下絨腫)の早期発見,早期治療を目標として,厳重に経過を監視するのが,これまでの一般的な方針であつたが,さらに積極的な処置をとるのがよいとする立場もある。
積極的管理の一つは子宮摘出であるが,奇胎患者はまだ若くて,未産の場合も多いので,奇胎全例に予防的摘出を行なうことは無理である。また,子宮原発の絨腫は減少させることができても,肺などの異所絨毛上皮腫発生の可能性は残つている。
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