薬の臨床
切迫流早産に対する高単位HCGの臨床効果に関する検討
井庭 信幸
1
,
佐藤 宗保
1
,
北尾 学
1
Nobuyuki Iba
1
1烏取大学医学部産科婦人科学教室
pp.1087-1090
発行日 1973年12月10日
Published Date 1973/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204976
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胎児が生育可能以前にその妊卵が子宮外に排出される場合を流産というが妊娠第16週までの妊娠中絶を狭義の流産,第17〜28週までの妊娠中絶を未熟産と分類されているが,妊娠28週(7ヵ月)末以前の中絶を広義の流産ともいう。生後胎児は生存不能である,また,妊娠第29週(8ヵ月)〜第38週(10ヵ月半)までの中絶を早産といい,胎児は未熟児で,適当な哺育看護により子宮外生存は可能である。
わが国における流産の頻度3,5,10)は,医学の進歩に伴ない,ここ数年間に従来の約半数に減少したといえ,今なお,全妊娠数の7.5〜10%を占めている。ことに胎盤完成前の妊娠2〜3ヵ月の間に多く,この間における早期の流産が総流産の55〜75%を占めている。また,一般に経産婦,高年者に多く,なお,同一人が流産を反復する場合が多いといわれている。つぎに早産では,全分娩の5〜10%3,10)で,新生児死亡の最も大きな原因をなしている。
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