巻頭論文
DHA-S負荷による胎児胎盤機能検査
山口 龍二
1
,
池本 正則
1
,
中野 義一
1
Ryuji Yamaguchi
1
1奈良県立医科大学産婦人科学教室
pp.797-806
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204884
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妊娠末期の妊婦尿中estriol (以下E3と略す)排泄値は,胎児胎盤機能を反映する有力な指標とされている。
Diczfalusyら1,2)および中山3,4)により明らかにされたfeto-placental unitの理論では,尿中E3の前駆物質はDHA-sulfate (以下DHA-Sと略す)が胎児副腎および胎児肝でsteroid核16—位の水酸化により16α—OH-DHA-Sとなり,胎盤でaromatizationを受けてE3になる代謝系が明らかにされた。胎盤には副腎および性腺のようにacetate,cholesterolよりE3のde novoの生合成を行なう酵素系が十分存在せず,胎児と胎盤が一体となり代謝酵素の不足を満し,E3合成を行なつていることになる。
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