特集 胎内のしくみと胎児の発育
胎盤の機能面からみた胎児発育とその障害
山口 龍二
1
1奈良医大産婦人科教室
pp.668-676
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205295
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1.はじめに
われわれが,何故に胎盤の研究と胎盤機能検査法の開発に努力しているかについて考えれば,それは,胎生期において胎児のうける障害が,あえて全人生とまでは言わないまでも,新生児期はもちろん,乳児期,幼児期,学童期,そしてさらには青年期にまで影響を残す可能性があるからである。胎児の障害は,もちろん胎盤にだけ関係するものではないが,やはりその主原因は胎盤に求められることが多い。したがってその障害の本態を究明することは,医学的にも社会的にも重要な意義をもつ。
そこで,本稿においては,昭和52年度第29回日本産科婦人科学会シンポジウム講演を中心に,昭和51年第13回日本新生児学会シンポジウム講演の内容を一部加えて解説したい。
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