特集 産婦人科プリンシプル
産科編
妊娠の成立機序—とくに受精を中心として
鈴木 秋悦
1
,
板倉 紘一
1
,
浜田 康生
1
,
三谷 仁
1
,
関 賢一
1
,
伊藤 武夫
1
,
浜田 光磨
1
Shuetu Suzuki
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
pp.721-726
発行日 1973年9月10日
Published Date 1973/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204871
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妊娠成立の機序に関する問題は,近年のリプロダクションの生物生理学の研究領域の進歩の中にあつて,もつとも重要なテーマの一つとして追求されてきている。それは,臨床的にも不妊症の治療という大きな目的があり,さらに,人口増大に関する制御の医学的責任としての妊娠の阻害に関する方法論の発見という最終目的にもつながるからである。しかしながら,生物学者はもとより,医学,農学などの全ての領域の研究者の努力にもかかわらず,妊娠成立の機序についてはなお多くの未解決の問題点を残しており,われわれも種々のアプローチからこの問題を追求してきている。
本稿では,この領域の最新の研究成果を全て網羅して解説することは紙面の都合上不可能であるが,主として受精のメカニズムとその後のプロセスを中心として最近のいくつかの話題について述べ,責を果したいと思う。
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