カラーグラフ 臨床家のための病理学・6
外陰部疾患・Ⅴ
滝 一郎
1
1九州大学医学部産婦人科
pp.570-571
発行日 1972年7月10日
Published Date 1972/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204630
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外陰部に原発する悪性腫瘍には,基底細胞癌,扁平上皮癌,バルトリン腺癌,悪性黒色腫(既述),肉腫,血管上皮腫,リンパ網内系悪性腫瘍などがある。通称の外陰癌にはバルトリン腺癌,基底細胞癌と扁平上皮癌が含まれているが前二者は稀である。
外陰癌は婦人性器癌の3〜5%を占め,閉経後60歳以上の老婦人に多い。外陰皮膚の増殖性病変(leukoplakiaで見られることが多い)に続発することがある。大陰唇に最も多く発生するが,腟前庭,小陰唇,陰核,後陰唇連合など各所に発生する。初期に発見されることは比較的少い。
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