カラーグラフ 臨床家のための病理学・1
外陰部
滝 一郎
1
1九州大学医学部産婦人科
pp.6-7
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204541
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外陰部は,外胚葉の隆起により生ずるgenital eminence→genital tubercleと称する構造がさらに分化して形成される。分化の途上でその中央部にurethral grooveと名づける陥入が生じ,その頭方,すなわち陥入の底部に,内胚葉より形成されたurogenital sinusが開口する。ここで外胚葉と内胚葉が接続する。さらに複雑な形成過程が進行して外陰部が完成する。性による分化の差異は,性染色体構成,すなわち,XX, XYにより基本的に決定されるのであるが,内分泌環境が性分化の誘導的機能を演ずることが知られている。
外陰部は大部分が外胚葉性であつて,体表をなす皮膚と同様な上皮でおおわれているが,腟前庭,処女膜,少なくも腟の尾方部は,内胚葉性のurogenital sinus由来の粘膜でおおわれしている。
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