症例
女性外陰部における悪性黒色腫の1例
山辺 徹
1
,
自見 昭司
1
,
副島 研爾
1
,
中山 正博
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産婦人科教室
pp.73-76
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204551
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外陰部における悪性腫瘍のうちでも,悪性黒色腫は比較的稀であるとはいえ,きわめて悪性度が高い疾患である。悪性黒色腫が白人に多いことはよく知られているが,黒人では稀とするものと,とくに白人との間に差をみとめないとするものとがある。これに対して,わが国ではその発現頻度が欧米に比してかなり低く,しかも白色人種ほど悪性でない経過をとることさえあるといわれる5)。皮膚のうちでは足蹠に多く発生し,このような元来色素の少ない部位では,とくに悪性度が高いと一般に信じられている。最近私どもは59歳の婦人の外陰部に発生した悪性黒色腫を経験したので,報告し,さらに多少の文献的考察をこころみた。
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