産婦人科医療--明日への展開 診断基準--新しい局面
Ⅰ.婦人科篇
外陰部非腫瘍性病変
山辺 徹
1
,
吉田 至誠
1
Tooru Yamabe
1
,
Makoto Yoshida
1
1長崎大学医学部産科婦人科学教室
pp.617-620
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206860
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産婦人科の日常診療においては,内性器の疾患が対象となることが多く,その診断法や治療法はかなり系統化されている。しかし,外陰の疾患では,十分な臨床検査がなされないまま対症的に治療されていることがあり,今日なお古典的な症候的疾患名が用いられていることが多い。
難治性の外陰掻痒は,いわゆる癌前駆病変の際によくみられる症状であり,病理組織学的診断がなされた上で治療が開始されるべきであるが,臨床症状のみで漫然と外用薬のみ投与されていることもある。また,炎症に基づく帯下や外陰掻痒,あるいは疼痛などの症状は,著しい不快感をともなうものであり,患者にとってきわめて深刻な悩みであるといえる。したがって,治療効果を上げるためには,まず外陰疾患に対する正確な診断が要求される。
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