研究
Prostaglandin F2αの静脈内持続注入による分娩誘発の検討
高橋 俊一
1
,
寺原 賢人
1
,
富永 好之
1
,
山根 俊夫
1
,
成田 喜代司
1
,
前田 一雄
1
Shunichi Takahashi
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.77-82
発行日 1972年1月10日
Published Date 1972/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204552
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Kruzrok and Lieb (1930)は精液中に子宮筋に影響をおよぼす物質があることを発見し,Von Euler (1935)は,それが平滑筋刺激作用を持つ不飽和脂肪酸であることを証明してProstaglandin (以下PGと略)と命名した。その後PGは数種の類似構造をもつことが発見され,Bergström (1960)はPGを結晶として分離することに成功した。さらに数年前からPGの化学的合成が行なわれて臨床応用が可能になり,産婦人科領域では,Karim (1968,1969),Embrey (1969)などが,主としてPGE, PGFを用いてヒトの妊娠子宮収縮の誘発を試みた。ことに,PGF2αによる分娩誘発において自然の状況に近い子宮収縮をみることが注目され,これまで行なわれたoxytocin静注法よりも胎児に与える影響の少ないことが期待された。わが国でも最近PGの化学的合成が可能になり,われわれも合成PGF2α(小野薬品)を入手してその臨床応用を試みた。
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