明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 卵管
卵管の炎症と不妊
高野 昇
1,2
Noboru Takano
1,2
1国立横浜東病院産婦人科
2千葉大学
pp.111-118
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206939
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女性性器は泌尿器と同じく細菌感染を受け易く,とくに特異な構造,機能を持つ卵管には感染によって器質的にも機能的にも容易にirreversibleな変化が起こり,卵管性不妊を招くことになる。性器結核をはじめ一般感染症が減少の一途をたどっているのは事実であるが,近年弱毒菌と考えられる細菌によるopportunistic infectionの増加,起炎菌に変貌がみられる。またマイコプラズマ感染症1),クラミジア感染症2)など新知見の報告がみられている。このような時期にこれら女性性器感染症について認識を改め,対処することは有意義なことと考える。これら最近の知見を整理し卵管の炎症と卵管性不妊とのかかわりあいについて述べてみる。
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