薬の臨床
Allylestrenol(Gestanon)の胎盤機能賦活作用—第2報
高橋 克幸
1
,
畠山 義徳
1
,
中川 公夫
1
,
山口 竜二
1
,
秋山 修爾
2
Katsuyuki Takahashi
1
1東北大学医学部産婦人科学教室
2国立仙台病院産婦人科
pp.1083-1086
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204512
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はじめに
妊娠時に尿中estriolが著明に増量するが,その主たる産生臓器として,foeto-placental Unitが注目され,ここにおいて生合成,代謝,抱合などが行なわれていることが明らかとなつてきた。したがつて,尿中estriolの測定は,胎盤機能の一面を反映し,胎児の予後を推測するのに役立つており,最近では,ほとんどroutineのごとくに測定が行なわれるような傾向になつてきている。
しかし,尿中estriolやその他の種々の検査を行なつて,ある程度胎盤の機能や胎児の予後が予測し得ても,これを改善する方法となる明確なものはなかつた。Allylest-reno1(Gestanon)がヒト胎盤に作用し,機能を亢進させる結果として,尿中estriolの分泌を増量させることが報告されていたが1),われわれもさきに,軽症の切迫流産と診断された,妊娠初期の婦人にGestanonを投与し,尿中pregnanediol,尿中estriolを測定して興味ある結果を得た2)。
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