Japanese
English
臨床研究
母児間の物質代謝—特に胎盤の機能について
Transfer of materials between mother and child, with special reference to placental functions
山口 竜二
1
,
野田 起一郎
1
,
山下 徹
1
,
奥田 宜弘
1
,
姉歯 皎
1
,
石田 寛
1
,
中野 盛夫
1
,
森塚 威次郎
1
Ryuji Yamaguchi
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.799-805
発行日 1960年9月10日
Published Date 1960/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202269
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Ⅰ.はじめに
僅々10カ月未満の間に体重が,殆んど0gから3000gに至るほど急速な発育をとげる胎児の生長はまことに驚くべきことであり,之が専ら母体から供給される物質によつて行われることは当然なこととして何人も疑う所のない事実である。然しこの物質供給が如何なる方法で,どこを通り,又どんな調節機構を経てなされているかについてはむしろ判つていない部分が多い。この母児間物質交換に当り主役を演ずるのが胎盤であることは略略誤りのない所であろうが,この他に羊膜—羊水—胎児,羊水—胎児—胎盤という経路も存在し得ると考えられるから,母児間物質交換の問題には簡単には断定できないものがある。われわれは以上のようないろいろの問題につき数年来研究を行つてきたが,以下われわれの実験結果を中心として,又従来の研究報告などを参照しながら母児間の物質交換機序並びに胎盤の示す代謝機能などについて考察を加えたいと思う。
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