シンポジウム 末期子宮癌の治療
末期子宮癌の対症療法について—東大剖検例とペイン・クリニックからの検討
松沢 真澄
1
Masumi Matsuzawa
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.1060-1066
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204508
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はじめに
子宮癌の治癒率は,癌検診の普及や治療法の改善により年々向上し,死亡率は20年間にほぼ半減してきたが,なお欧米諸国にくらべ高率であり14),また女性悪性腫瘍の死亡数の中では多い方に属する。末期癌に含まれるものは,III・IV期のものや根治療法中に転移,合併症などを起こして治療不完全になつたものなどあるが,多くは根治療法後再発してきたものである。末期癌の治療法はまず原因療法でありfirst choiceは放射線療法であるが,時に手術療法・化学療法が行なわれ,それも不可能な場合に,あるいは原因療法と併用して対症療法が行なわれている。今回は末期子宮頸癌の経過と対症療法の実態を東大での剖検例とその臨床経過から把握し,retrospectiveにその対策を考え,また東大ペイン・クリニックにおける子宮癌末期の疼痛の対策につき検討した。
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