Japanese
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特集 子宮癌診療の進展
治療
末期子宮癌に対する男性ホルモン療法
Androgen therapy for carcinoma of the uterus in the last stage
赤須 文男
1
Fumio Akasu
1
1金沢大学
pp.1149-1155
発行日 1959年11月25日
Published Date 1959/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202089
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末期子宮癌に対する男性ホルモンAndrogen(以下Aと略す)の効果については,私はすでにいくつかの研究を報告した1)-6)が,乞われるままに更に2〜3の私見を加えて以下これを略述する。
子宮癌に根治療法(放射線療法或いは手術療法)がのぞみのある間は,これを施すのは当然であるが,これら治療法の無効とされるいわゆる末期子宮癌(以下癌と略す)に対する処置は可なり面倒である。この時は全身状態は著しく悪化し,食欲は欠如し,体重は著減し,皮膚は乾燥ししばしば黄色を呈し,加えて疼痛が現われる。疼痛は生体の危険に対する警告であるから,1)安静,2)根治療法,3)鎮痛剤などを用いれば多くの疾病では次第に緩和され,治癒に向つていくものであるが,癌の場合は絶対にそういうことは期待されず,結局,死の直前まで苦悶しなくてはならない。これは患者にとつてまことに恐るべきことであるが,担当医としてもまことに厄介なことであり,ここにこの目的に有効な方法がないかということとなり,今日ではA療法が可なり広く実施されているが,比較的高価のためにまだ一般化してはいない。
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