Japanese
English
産科 分娩
Relaxinの開口期陣痛に及ぼす影響
Effect of relaxin on the First Stage Pains (A Tocographic Study)
藤井 久四郎
1
,
寿田 鳳輔
1
,
田中 晃
1
Kyushiro Fujii
1
1東京医科歯科大学医学部産婦人科学教室
pp.119-120
発行日 1962年2月10日
Published Date 1962/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202569
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Ⅰ.緒言
Relaxinは,元来,恥骨結合離開現象の原因物質として発見された非ステロイド卵巣ホルモンであるが,それ以外にも種々の生理作用が報告されて居り,現在臨床的には主として子宮頚部軟化作用を応用して分娩促進(時間短縮)に,或は子宮収縮抑制作用に着目して早産の治療に試みられている。然しながらこの2つの作用が同時に発現するならば,例えばRelaxinを分娩時間短縮に用いる場合,頚部軟化によつて胎児が下降するに従って確かに受動的に子宮口開大は促進されるけれども,同時に子宮体部の収縮を抑制するならば分娩の進行は寧ろ遅延するわけであつて,その結果,所期の目的を達成することが出来なくなるのは言うまでもない。
われわれはRelaxin製剤Cervilaxinを満期分娩の産婦に投与して,Relaxinが果して開口期陣痛に影響を及ぼすか否かを陣痛図について観察し,若干の結果を得たので報告する。
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