薬の臨床
妊娠性貧血に対するVitamin B12の治療効果
大野 虎之進
1
,
高畠 弘
1
Toranoshin Ohno
1
1東京歯科大学市川病院産婦人科
pp.767-771
発行日 1971年7月10日
Published Date 1971/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204464
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緒言
古くより妊娠中に赤血球数および血色素量の減少する事実は認められており,妊娠性貧血と称せられている。
まずこの赤血球および血色素量の変動様式については,Lowensteinら1), Daniachijら2),その他33-7)の報告があり,それらの成績には一致を見ない点もあるが,一般に妊娠6-8か月の間における最大の減少と,後期における色素指数の低下を認めるものが多い。しかしその減少の程度については,血色素量の15%前後であり3,4),赤血球数は正常の下界もしくは軽度の減少にとどまるとなすものが多い1,3,4,7-12)。
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