研究
当院最近5年間の帝王切開術の観察
森 新太郎
1
,
佐々木 威信
1
,
広瀬 多満喜
1
,
奥田 博之
1
,
篠原 正一
2
Shintaro Mori
1
,
Shoichi Shinohara
2
1住友病院産婦人科
2住友病院麻酔科
pp.493-496
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203896
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I.緒言
当院ではさきに報告した同一麻酔方式による帝王切開術100例の観察(産と婦,第3巻,第5号,昭38)にて当院の帝王切開術(以下帝切術と略す)に対する麻酔方式を発表した。その際帝切術に対する麻酔法は単一の方法にて終始するより諸種の麻酔法すなわち前投薬,局麻,静麻,全麻という組み合わせの麻酔方法が有利であると結論した。その後帝切術に対する麻酔法の研究は大いに進み現在ではそのおのおのについてはほとんど研究しつくされたかのごとき感がある。そこで著者等は今日では帝切術に対してはこの麻酔法がよいとかあの麻酔法がより勝れているとかの論争をなす段階ではなく,この帝切例に対してはどの麻酔法を用うるのが最も有利であるかを考えて行なうべき段階にきていると思う。したがつて当院においてはかかる観点より昭和38年以来その症例に最も有利と思われる麻酔法を選択決定し実施してきた。以下昭和38年より昭和42年末に到る5年間の帝切術につき主として麻酔法を中心に観察せる所を報告する。
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