臨床経験
当院で行う帝王切開瘢痕症候群に対する内視鏡手術
辻 俊一郎
1
,
信田 侑里
1
,
村上 節
1
S. Tsuji
1
,
Y. Shinoda
1
,
T. Murakami
1
1滋賀医科大学産科学婦人科学講座
pp.321-326
発行日 2022年3月1日
Published Date 2022/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002090
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帝王切開後に子宮峡部創陥凹が形成され,異常子宮出血,月経痛や不妊症をきたす疾患を帝王切開瘢痕症候群(cesarean scar syndrome;CSS)という。以前に行われた全国調査では,挙児希望を有するCSS症例に外科的治療の有効性が示された。外科的治療にも様々な術式があるが,われわれは子宮鏡手術や腹腔鏡手術など内視鏡手術を中心とした加療を行っている。原則として,より低侵襲と考えられる子宮鏡手術を行い,挙児希望症例に対する術後妊娠率は約7割であった。一方,症例を選んで行っている腹腔鏡による切除と再建術では菲薄化した子宮筋層は全例で有意に厚くなっていた。本稿では,それぞれの内視鏡手術の術式と今後の課題について解説する。
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