症例
卵胞内卵巣妊娠について
鈴木 正彦
1
,
伊藤 久彰
1
,
神田 敬子
1
Masahiko Suzuki
1
1新潟大学医学部産婦人科教室
pp.167-171
発行日 1968年2月10日
Published Date 1968/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203844
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はじめに
子宮外妊娠は最近増加の傾向にあるといわれるがその大部分は卵管妊娠であり,卵巣妊娠は極めて稀な疾患である。本疾患は1614年Mercer1),1682年Maurioe2)らにより初めて報告され,1899年Tussenbrock3)により病理組織学的に確立されたものである。その発生機序については種々の説があるが現在なお不明の点が多い。
われわれは最近臨床症状より卵巣のう腫を疑つて開腹し,摘出物外観の肉眼所見から一時悪性腫瘍をも考えたが,病理組織学的検索の結果,卵胞内卵巣妊娠であることを確認した1例を経験したので報告するとともに卵巣妊娠に関し内外の文献について考察を加えた。
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