研究
染色体を対象とする臨床研究の総括
安藤 畫一
1
Kakuichi Ando
1
1慶応義塾大学医学部
pp.799-804
発行日 1967年10月10日
Published Date 1967/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203777
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緒言
人体に起こる正常・異常の臨床的研究の対象は多方面に及んでいるが,就中最も重要なのは「人体を構成する組織と細胞と」である。
この研究対象とする組織細胞の観察も,従来は割合に大まかで,全体の形態的変化・セイゼイ細胞核の単純な変化などを問題としたのである。
しかるにその後となり観察がいよいよ精細となるに及び,細胞分体(裂)に際して出現する染色体にまで関心を払うに至つた。臨床の各科に関しては,すでにそれぞれ多数の論文が発表されている。ここには全般臨床家の参考となることを予期して,その正常と異常とを総括した一篇としたのが本稿である。ただし正常知見の多くは既に研究ずみでおよそ一定の結論に達しているが,異常に関してはなお研究中なるため確定した結論を紹介し得ないものも少なくないことをお断りしておく。
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