誌上シンポジウム"新生児"・6 新生児の呼吸障害(上)
新生児仮死およびRDSの評価法
中嶋 唯夫
1
1日赤産院産婦人科
pp.562-567
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203730
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新生児仮死およびR.D.Sの誘原因は多種多様で,複数な因子が作用し,臨床像として把握される諸病像も1次的と申しましようか,直接発生するもの,2次的,3次的に発生するものなど,必ずしも分明でありません。
新生児仮死およびR.D.Sの取り扱いにつきましても,私がこれから申すまでもなく,その評価につき,1953年V.Apgarは従来の仮死の評価法にかわつて,今日広く利用されておりますApgarの採点法を提唱いたし,未熟児のR.D.Sの評価につきましても,1957年W.A.Silvermanは胸骨陥沒(sternal retraction)と無気肺に着目したA.Rossierの1953年以来の考え方からretraction scoreによる呼吸困難の評価法を提唱いたしました。さらにH.C.Millerは1957年にいわゆるMillerの呼吸型と呼ばれます,3型をあげ予後判定の1示標とし,本邦九嶋,安達らはこれにIV型を加え,今日までに本題に関するおもな報告としまして,馬場教授の御報告を初め小川,安達,室岡,C.A.Smithらの発表がございますし,最近では血液ガスを中心に,酸,塩基の知見が次々と発表されております。また新生児の血液循環につきましても迫求され,さらに昨年のZbl.gynakにL.S.Persianinousらは仮死重症例での白血球のグリコーゲン量の低下を指摘しております。
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