講座 先天性異常の早期診断とその処置・2
妊娠中の診断
福井 靖典
1
,
武者 吉英
1
Yasunori Fukui
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.437-440
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203491
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Ⅰ.警戒を要する徴候
妊娠中胎児に異常がある場合,妊娠あるいは分娩の経過に異常をきたすことが多く,また新生児疾患のうちには,すでに在胎中にその病因が認められる無酸素症,溶血性疾患等があるため,妊娠中における胎児異常の早期診断は,その結果惹起される種々の異常に対処する上で産科,小児科両域で共に重要な意義をもつているわけである。しかし実際問題として胎児の異常を確実に診断することは,きわめて困難であり,わずかに臨床症状さらには家族歴,既往歴等から異常児の娩出を予測し得るにすぎない場合がほとんどである。そこで以下妊娠中胎児に異常をきたす可能性を有し,十分に警戒を要する重要な点を列挙してみると次のごとくである。
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