増刊号 すぐに使える周術期管理マニュアル
Ⅱ章 併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
その他
妊娠中
杉原 武
1
,
木戸 浩一郎
1
,
綾部 琢哉
1
Takeru SUGIHARA
1
1帝京大学産婦人科
pp.81-83
発行日 2019年10月22日
Published Date 2019/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212665
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術前評価
●女性における妊娠は,ヒトが種として生命を紡いでいくために必要不可欠な状態であり,女性の体内に別の生命が存在する特殊な状況である.母体には解剖学的,生理的変化が起こっており,このことを十分に理解して周術期管理を行う必要がある.
●妊娠中の非産科手術の頻度は0.75%と報告1)されている.妊娠中に手術が必要となる状況は限られており,母体だけでなく胎児への影響も考えれば回避できるに越したことはない.そのなかで外科的な介入が必要な状況は,急性疾患あるいは悪性腫瘍に罹患した場合などが考えられる.急性疾患であればすべての時期にわたって緊急手術が必要となるが,悪性腫瘍であればその疾患における予後と在胎週数などを総合して個別に判断する必要がある.
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