増刊号 周術期管理マニュアル—保存版
Ⅱ併存症をもつ患者の評価とその術前・術後管理
その他
妊娠中
西島 浩二
1
Koji NISHIJIMA
1
1新潟大学医歯学総合病院総合周産期母子医療センター
pp.80-83
発行日 2025年10月22日
Published Date 2025/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698570800110080
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術前評価
●協働体制の構築
妊娠中に外科手術が行われることは稀ではない.子宮頸管縫縮術,帝王切開術,胎児手術等の産科領域の手術に限らず,虫垂炎などの急性疾患や悪性腫瘍といった偶発合併症に対する外科手術も,臨床的判断に基づき行われる.妊娠中に非産科外科手術を受ける妊婦は,全体の1〜2%にのぼると報告されている1).
妊娠に合併した急性疾患の診断が遅れ,臓器の穿孔や汎発性腹膜炎をきたすと,胎児および母体の生命に危機が及ぶ.妊娠に合併した外科疾患を適切に管理し最適の治療に導くためには,外科医,産婦人科医,麻酔科医,小児科医(新生児科医)がチームとして協働する体制を構築することが重要である1).

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