連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール
妊娠中に診断されたクローン病合併妊娠の1例
手塚 真紀
1
,
小林 浩一
1
,
佐原 力三郎
2
,
酒匂 美奈子
3
,
河口 貴昭
3
,
橋本 拓造
4
1社会保険中央総合病院産婦人科
2社会保険中央総合病院大腸肛門科
3社会保険中央総合病院消化器内科
4東京女子医科大学第二外科
pp.1382-1387
発行日 2011年11月10日
Published Date 2011/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102839
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症 例
■患者
40歳,1回経産婦.
■主訴
妊娠29週時に,腹痛,下痢,粘血便,るいそう.
■既往歴
なし.
■現病歴
生来便秘であったが,最終月経の頃より1日10回を超える下痢,痔核脱出感を認めたが放置していた.
妊娠13週3日,近医A産婦人科を初診.消化器症状があるため,B総合病院産婦人科への転院と内科受診を勧められたが,内科・妊婦健診は受診せず,下痢も放置していた.しかし,次第に下痢の回数が増加し,粘血便や1日20回以上の下痢を認めるようになってきたため,妊娠24週4日,B総合病院内科を受診し,症状から炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease : IBD)を疑われ,当院を紹介された.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.