Japanese
English
薬剤 ビラン
Estriol tripropionate (estriol depot)に関する研究
Studies on Estriol tripropionate
九嶋 勝司
1
,
一条 元彦
1
,
渡辺 保
1
,
氏家 康秀
1
,
大友 泰郎
2
,
小宮 清一郎
3
Katsuji Kushima
1
,
Yasuo Otomo
2
,
Seiichiro Komiya
3
1東北大学医学部産婦人科教室
2仙台市立病院
3持田製薬株式会社
pp.643-648
発行日 1964年8月10日
Published Date 1964/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203108
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緒言
estriolが子宮頸・骨盤内結合組織を膨化・弛緩させ,あるいは頸管腺・膣扁平上皮を肥大・増殖させる作用や,恥骨結合を粗鬆化・離開させる作用を有することは周知のことである.また,この作用を利用してestriolによる腟炎・頸管炎・腟部ビランの治療を行ない,最近は分娩時の産道の軟化を促進するためにestriolを使用して好成績が認められるなど,しだいに有用なhormoneとして脚光をあびている。
しかしestriolの生体における排泄は比較的速かであるので,持続的薬効を期待するためにestriolのdepot化が臨床上要望されるにいたつた。この必要を満す目的で持田製薬株式会社では3,16,17—tripropionateをはじめ数種のestriol誘導体をつくり,生物学的作用を比較検討した結果,3,1617—tripropionateにestriol作用の極めて長時間持続することを知つた。本稿では本剤開発にあたり,われわれが担当したestriol誘導体の基礎実験ならびに臨床的実験について述べる。
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