Japanese
English
臨床 止血
産科領域に於けるVitamin K1の使用経験
Experience with vitamin K1 in obstetrics
赤須 文男
1
,
館野 政也
1
,
金城 国弘
1
Fumio Akasu
1
1金沢大学医学部産科婦人科学教室
pp.821-823
発行日 1963年10月10日
Published Date 1963/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202910
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緒論
Vitamin Kは血液凝固の1過程であるproth—ronbin形成に重要な役割を演ずるとされ,従来Vitamin Kとしての合成型のK3やK4が用いられてきたがK3やK4はクマリンインダンジオン系の経口抗凝血薬にもほとんど拮抗作用を示さないとされており,しかも,最近K3やK4を新生児出血の予防のため,母体や新生児に投与すると過ビリルビン血症や核黄疸を発生する頻度が高いともされ,赤血球や肝細胞に対してもいちじるしい変化を来たすことが論ぜられている。これに反しVitamin K1は抗凝血薬などにも迅速に拮抗し,過ビリルビン血症や核黄疸をおこすことがないとされている。われわれは抗凝血薬療法に主として用いられるクマリン系抗凝血薬によつて低下する4つの凝血因子,すなわち第Ⅱ因子(プロトロンビン)第Ⅶ因子(プロコンベルチン)第Ⅸ因子(クリスマス因子,PTC,抗B型血友病因子)第Ⅹ因子(スチェアートプロワア因子)の活性を同時に測定できる複合試薬であるThrombotest Owrenを使用し,妊産褥婦にVitamin K1を投与し,その使用前後における凝血時間を測定し,その成績を比較検討した。
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