Japanese
English
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皮膚科領域における副腎皮質ホルモンとVitamin K1の併用療法について
CLINICAL EVALUATION OF CORTICOSTEROID THERAPY ACCOMPANIED WITH VITAMIN K1 IN SOME SKIN DISEASES
斉藤 忠夫
1
,
宮垣 信海
1
,
須貝 哲郎
1
,
青木 和夫
1
,
浜田 稔夫
1
,
東 禹彦
1
,
辻 卓夫
1
Tadao SAITO
1
,
Shigemi MIYAGAKI
1
,
Tetsuro SUGAI
1
,
Kazuo AOKI
1
,
Toshio HAMADA
1
,
Nobuhiko HIGASHI
1
,
Takuo TSUJI
1
1大阪市立大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Osaka City University Medical School
pp.1205-1209
発行日 1964年12月1日
Published Date 1964/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203946
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I.はじめに
副腎皮質ホルモンは強力な抗炎症作用を有し,且つ応用範囲の広い薬剤として種々の皮膚疾患に用いられ,ステロイド合成化学の進歩と共に,各種の副作用の少ない誘導体が登場するに及んで益々繁用されているが,その作用はあくまでmorbid—istaticであり,皮疹が一時消失しても,その中止後にしばしば再発,再燃がみられ,この投与中止後の再発を如何にして防止するかという問題については,未だ解決されていない状態である。
1963年Feketeら1)は血液凝固作用を有するVitamin K3(2-Methyl-1,4-naphthoquinone)を動物にPrednisoloneと併用投与した場合と,Prednisolone単独を投与した場合とについて,胸腺萎縮効果,肝グリコーゲン沈着効果及び抗炎症効果を調べ,併用投与の場合はPrednisolone単独の凡そ3倍の効果がみられたが,Vitamin K3単独では何らの効果も認められなかったと述べているが,このことよりVitamin K1(2-Met-hyl-3-phytyl-1,4-naphthoquinone)も副腎皮質ホルモン作用を増強させる効果をもつことが考えられるので,皮膚疾患々者,殊にアレルギー性非感染性炎症疾患々者に各種副腎皮質ホルモンを投与し,これにVitamin K1を併用することによつて,副腎皮質ホルモン単独投与時の治療効果を増強し得るか,また副腎皮質ホルモン投与中止後の再発を防止し得るか等について検討を加えたので,ここに報告する。
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