Japanese
English
新生児・1
Effortilの胎児心機能並びに新生児仮死に対する臨床効果
Clinical effects of "Effortil" on the heart function of fetus and newborn infant as well as asphyxia neonatorum
蠣崎 要
1
,
安部 礼子
1
,
浜田 悌二
1
Kaname Kakizaki
1
1九州大学医学部産婦人科学教室
pp.309-320
発行日 1963年4月10日
Published Date 1963/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202789
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いとぐち
Effortilの昇圧作用はSympatholと同様であるが,その効果は強力であり,作用の発現が緩除であり,持続時間も長い。従つて薬理的にはad—renalinとは異なつている。また,右心房内圧の変化や心臓の循環について実験観察を行なつた結果は,此較的少量の投与で心臓の活力を増強することが証明されている。大量投与によつてもなんら不快な副作用はないことが特徴とされている。
成人に対しては,Effortilが心臓や末梢血管に対して調和のとれた作用をなし,心臓血管系の機能試験によつて心搏出量および分時搏出量の増加を認め,しかも,心搏数になんらの変化を伴なわずに心臓活動を増加する。一方Effortilの投与によつて細動脈の潅流が良好になり,末梢血管抵抗が減少する。この薬剤の投与による静脈圧の上昇や循環血液量の増加は,血液貯溜臓器からの血液の流出が旺盛になることを示している。従つて,毛細管,細動脈および組織の内圧は上昇する。交感神経系に属するadrenalinの誘導体としてのEffortilはadrenalinやEphedrinと共通する薬理作用を示すが,全く副作用がない。成人にあつては治療量の投与では心電図にも認むべき変化もなく,治療量の6倍量を投与してもわずかな,無害な一過性の変化を認めるだけであるといわれている。
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