講座 健康保険
保険診療の実際(その3)
三井 武
1,2
1日本医科大学
2東京都社保基金
pp.298-299
発行日 1963年4月10日
Published Date 1963/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202785
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われわれが日常おこなつている産婦人科処置あるいは臨床検査について審査の際もつとも多く気がつくことは,これらの処置や検査の適正でないものがかなり多いことである。大学などの医育機関では詳細な検査が数多くおこなわれているにもかかわらず,処置が非常に少なく請求洩れではないかと思われる例が多いのに反し,一般の医療機関のそれは検査があまりおこなわれず,治療効果があがつているのか,いないのか不明のまま,慢然と同じ治療を繰り返しているというような請求例がよくみられる。またたとえば腟洗浄であるが,婦人科医ならば誰でも一応診察の際に行なうはずであるが,社会保険においては御承知の如く腟洗は治療のためにのみおこなわれるものとして「処置」の項に入れてあり,診察のための腟洗料は一切認められず,初診時の腟洗料はそれに該当する疾患がない限りすべて初診料に含まれることになつており,そのため査定の対象となることが往々にしてある。あるいはまた腟式手術または処置当日の腟洗料は認められないことになつているにもかかわらず,このことを知らずに請求して査定される場合が決して少なくない。従つて今回は産婦人科処置に関する問題について実際的に述べることにする。
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