Japanese
English
臨床研究
高年初産婦に関する研究—(第2報 当教室10年間の経妊別高年初産婦の統計的観察)
Studies on old primipara : second report : Its statistical investigations by para during the past ten years in our clinic
石井 元子
1
,
森田 潤
1
Motoko Ishii
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科教室
pp.893-898
発行日 1960年10月10日
Published Date 1960/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202291
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
Ⅰ.緒言
われわれは先に戦後高年初産婦の激増にかんがみ,これが統計的観察を行い,その実態を把握すると共にその主原因を社会環境の変化,即ち,教育年限の延長並びに女性の職場進出に伴う結婚年齢の上昇及び経済的理由にもとづく分娩拒否に求めた。
而して受胎調節に関する知識に乏しい本邦婦人では専ら人工妊娠中絶術による産児調節者が多く,従つて高年初産婦の中には多くの経妊者があることとなり,此等経妊高年初産婦と初妊高年初産婦との間には産科学的に諸種の変化が起ることは容易に首肯されるところである。然るに此等経妊別高年初産婦に関する業績は皆無に近い現況にあるのにかんがみ,われわれは先に報告した昭和25年より昭和34年迄の過去10年間に亘る高年初産婦282名について経妊別に統計的観察を行い此等の関係を明らかにすると共に産科学的にも若干の新知見を得たので茲に報告する。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.