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特集 産婦人科診療の今昔
産科学
妊婦結核
Tuberculosis of pregnant women
藤森 速水
1
Hayami Fujimori
1
1大阪市立大学
pp.125-129
発行日 1960年1月10日
Published Date 1960/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202131
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Ⅰ.緒 言
今回「産婦人科診療の今昔」という特集号が刊行されるに当り,「妊婦結核」の項目の執筆を依頼された。筆者が10数年来この方面に就き関心を有し研究を続けて来た経験から言うならば,妊婦結核の診療は昔と今と比較して非常な進歩が見られ,特に最近に於ける妊婦結核は,戦前の状態からは想像も出来なかつた程の一大飛躍を呈していると称しても過言ではあるまい。
結核という疾患は1万年位前から人類を蝕んでいた事実は明らかであるが,「妊娠と結核」に関して医学界に論議されるようになつたのは19世紀の中頃からである。その後,医学の進歩のみならず,人口政策,宗教上の観念等と関連して,妊婦結核の対策は特にこの時代的推移を示して来た。これに関して叙述することは,医学史の一側面から見ても大変興味あることであるが,紙面の都合上,詳述する事は差控えて,要点のみを紹介して見よう。
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