印象記
西ドイツにおける子宮頸癌根治手術供覧記
坂元 正一
1
,
木川 源則
1
Shoichi Sakamoto
1
,
Tomonori Kikawa
1
1東京大学医学部産婦人科学教室
pp.992-996
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204706
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われわれは,本年の4月から5月にかけ,計らずも西独に招待され,Kiel大学においてDemons—trations-Kurs für Radikaloperationen des Collum—carcinomsを持ち,5例の手術をみせ,彼の地の学者と討論する機会を持つた。広汎全適出術の外国におけるデモは米国で八木教授,橋本教授,フランスで真柄教授がなさつた程度で,珍しいからぜひ実状をとの編集部からの要望で筆をとつた次第である。
このコースは,ジュネーブ大学Prof. H. deWatteville,キール大学Prof. K. Semmによつて企画され,西独,スイスの婦人科医を対照に,手術見学上30名に限定,各施設から原則として1名の参加者を決め,症例の集りやすいSchleswig—Holstein州の中心地Kiel大学において実施することに決められていた。Kielといえば,西独においてMünchen, Heiderbergとならんで3大主要大学といわれ,有名人が一度は籍をおくといわれる所,今度のオリンピックのヨット競技の行なわれる美しい港のある町である。スカンジナビア3国への海の出入口でもある。そこで,このコースには,デモの前に親睦をかねて奥さん連れで,メンバーが海路Osloに船旅をし,観光と同時にKolstadt教授のいるNorwegian Radium Hospital見学と討論の会も組みこまれていた。
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