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臨床研究
妊娠に於ける鉱質代謝の基礎的研究,殊に妊娠月令に沿うての血清,尿,唾液中Na及びKイオン濃度の消長に就いて—第2報 妊娠月令より見たる妊婦尿中のNa,K濃度の消長に就いて
Basic Studies on mineral metabolism during pregnancy especially on the concentrations of Na-and K-iones in serum, urine and soliva following the month of pregnancy:Ⅱ.On the concentrations of Na-and K-iones in urine following the month of pregnancy
藤巻 幹夫
1,2
Mikio Fujimaki
1,2
1東京医科歯科大学医学部生化学教室
2東京鉄道病院産婦人科
pp.777-784
発行日 1958年10月10日
Published Date 1958/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201828
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緒論
著者は第1報に於いて妊婦血清中のNa及びKの逐月的変動について,先ずそれぞれの濃度実数にっいて妊娠各月令群に於ける平均値の変動について観察し,ついでそれらより分散変動百分率を計算したる後に妊娠各月令別に見られた分散収斂について推計的に観察し,更に直交十字軸法によつて,血清中のNa,Kの変動を妊娠月令別により観察し,妊婦血清Na濃度はその分散の平均値より見れば妊娠全期間を通じ,健常値より極めて僅かながら低値を示すがしかしその水準に於いて比較的に恒常であつたが,分散の幅の見地よりこれを見れば妊娠2〜8ヵ月及び10ヵ月の二期には推計的にも認め得べき分散を示し,妊娠9ヵ月にはこれ又推計的に認め得る収斂を示すことを知り,一方妊婦血清K濃度は各実測値の平均値の見地より見れば妊娠前半期に激増し,以後漸次復帰を示し,妊娠8ヵ月にて最低値を示すが妊娠9ヵ月より又増加を示して行く傾向があり,又分散の幅の見地より見れば推計的には妊娠8ヵ月を除いて全ての月令に於いては正常分散に比して広い分散を示し,唯妊娠8ヵ月に於いてのみ収斂を示すことを見た。
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