Japanese
English
臨床研究
切迫流早産に対する19-Nortestosteroneの使用経験
Experience on the treatment of threatened abortion and premature labour with 19-Nortestosterone
山内 文範
1
,
赤石 徹
1
,
鈴木 基一
1
Fuminori Yamanouchi
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.685-687
発行日 1958年9月10日
Published Date 1958/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201812
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緒言
Steinachが動物の腺を移植して以来,ホルモンの臨床的応用の進歩はめざましいものがあるが,今日尚,未解決の分野も少なくない。1940年,Schultzeは黄体ホルモンは子宮筋の安静を保持すると言い,藤井3)は黄体ホルモンは子宮筋のTonusを下げてその自発運動を抑制すると言い,今日,切迫流早産に対する黄体ホルモンの使用には異論のない所であるが,Progesteroneは内服すれば肝内で不活性化され,殆んど効力を失うとされ,注射に依らざるを得ない現状である。けれども,切迫流早産の患者を注射のため遠路通院せしめることは,一考を要する所であり,又,経済的,家庭的な諸事情のため,すべてを入院せしめることも難かしく,内服によつて奏効する黄体ホルモンの出現が強く望まれていた所である。
この要望を満すべく,近時,Androgenの誘導体としでEthinyl-testosteroneが合成され,経口投与にも不活性化されないと言われているがその黄体ホルモン作用はProgesteroneの注射の場合より弱く,Ethisteroneの内服のみでは臨床上充分な効果をおさめることが出来なかつた。
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