原著
子宮腟部組織の螢光顕微鏡所見について
熊谷 博
1
1岩手医科大学産婦人科学教室
pp.51-54
発行日 1956年1月10日
Published Date 1956/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201313
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Ⅰ はしがき
螢光顕微鏡装置は1904年Kohlerにより創製され,1913年に至つてLehmannによつて一応完成されたが,その研究材料は一定の範囲に限定されていた。しかし1934年Haitingerの螢光色素法の発明あるいは装置の改良等によつて次第に利用の途が開かれ,現在では広く微生物学,免疫学病理組織学,その他細胞学,寄生虫学方面にも応用されてきている。
一方産婦人科領域に関係ある報告はま、ず少なく,女性性器の螢光についてのH.Hamperlの簡単な報告,庭山の魚類以上哺乳類にわたる卵巣についての報告についで,樋口の人卵巣の螢光現象の利用による卵巣充実性腫瘍の分類,H.P.Friedmanり腟内容物の螢光現象による子宮癌の早期診断法,その他人胎盤についての森,嶋田の報告,子宮内膜についての大野の報告があるくらいである。
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