原著
ナイトロゼン・マスタードN-oxideの腫瘍内注入に依る子宮腟部癌の臨床的研究
宮原 通顕
1
,
松本 真
1
1久留米大学医学部産婦人科学教室
pp.392-395
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201159
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1.緒言
最近悪性腫瘍の化学療法剤として発表せられたナイトロゼン・マスタードN-oxide (以下ナ・マと略記)は動物実験的に或は臨床的にその効果に就て研究せられ,その作用機序は一般的細胞毒にして硬「レ」線に類似した作用ありと云われているが,未だ詳細に充分究明されていない。余等はMethyl-bis (β—Chloroethyl) amine N-oxidehydrochloride (ナイトロミン)を子宮腟部癌患者に対し,直接腫瘍内に注入して,一般的作用並びに腫瘍の肉眼的及び組織学的変化を迫求した。樹一部に於て「ナ・マ」の拡散を促進する為拡散剤(ヒアルロニダーゼ)を添加し,その作用をも研討した。
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