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特集 第7回脳のシンポジウム
主題—慢性進行性神経疾患の中から
4-Hydroxyaminoquinoline 1-oxideによるラットの系統的神経障害
Systemic degenerative alteration of the nervous system in rats by 4-hydroxyaminoquinoline 1-oxide
林 裕造
1
,
豊島 清明
1
,
長谷川 紀昭
1
Yuzo HAYASHI
1
,
Kiyoaki TOYOSHIMA
1
,
Toshiaki HASEGAWA
1
1塩野義研究所
1Shionogi Rescarch Laboratory
pp.190-192
発行日 1972年2月1日
Published Date 1972/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903367
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4-Hydroxyaminoquinoline 1-oxideは突然変異の誘起,癌原性,異常分裂の誘発などの生物活性を有する化合物として知られ,その作用機作あるいは生体高分子との相互作用についても多くの研究がなされている1)。神経系に対する作用としては,幼若マウスの脳内へ直接注射による肥胖マウスの発生に関する山本らの報告がある2)。最近われわれはこの化合物の静脈注射によりラットに後肢の進行性運動麻痺を主徴とする後索の軸索変性が惹起される事実を知り3,4),その病理発生機序についての検討を行なつている。次に現在までに得られた結果を概括的に報告する。
方法:日本クレア産の生後5週雄性Sprague-Dawley系ラットを用いた。4-Hydroxyaminoquinoline 1-oxide塩酸塩(4HAQO・HCL)40mgを使用直前に1mlの0.1NHClに溶解し,生理食塩水を加えて全量が20mlになるように稀釈して注射溶液とした。実験群には4HAQO・HCl5mg/kgを週1回,計8回にわたり尾静脈内に注射し,対照群には同容量の0.005NHClを注射した。なお,4HAQOによる神経障害の発現が投与量,投与回数および投与間隔に影響される事実を附記したい。
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