原著
婦人科疾患の血液性状
中山 栄之助
1
,
篠塚 達三
1
1新潟大学医学部産婦人科教室
pp.391-392
発行日 1955年3月10日
Published Date 1955/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201158
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血清は流動組織として循環し全身細胞に対し,新陳代謝に必要な酸素及び栄養物質を与へ,代謝の結巣生じたる炭酸ガス及び老癈物質を運搬する役割を果す計りでなく,血液の大部分を占める水は,その照容量の大なることにより体温の調節を営み,電解質を溶解し,蛋白膠質と共に細胞生活に不可欠な滲透圧を構成し,円滑なる生物学的現象を営むものであり,一方血漿内蛋白分屑も亦滲透圧に関与すると共に免疫体の産生について,白血球と協同し種々の生体反応に適応するものである。斯く考える時,血液の性状を検することは疾患状態を判断する為に不可欠のものであろうと思う。此処で余等は重要婦人科疾患について,以下述べるように血液性状を調査して見た。
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