原著
性周期に伴う白鼠循環好酸球数の変動に就て
一戸 喜兵衞
1
,
中村 玄三郎
1
1北海道大学医学部産婦人科教室
pp.649-652
発行日 1954年11月10日
Published Date 1954/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201115
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Selyeが生体の反応機構を下垂体副腎皮質系統を以つて強調したことは従来から産婦人科領域にあつて内分泌学的並びにHomeostasisの概念をあたまに婦人生体反応を考察してきた研究者達にとつて刺戟となるには充分であつた。一部下垂体副腎と性機能の問題に就てみても過去幾多報告され而も区々一致をみぬままにある之等丈献報告に対して相互の矛盾と欠陥に,もう一度新しい見地から検討を試み止揚すべき機会を与えつつある。
当教室に於ても自律神経緊張状態を窺うVakat—沃度酸値法を以つて始つた婦人性機能,殊に排卵に関する研索は,かかる概念の導入により小川教授の排卵機序に対する広大な仮説(1951)の想定を助成し,併せてこの実証を目的とする多くの綜合的研究に進展したのであつたが,この過程の一環として本実験も行われたものである。
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