Japanese
English
原著
湿疹とくに小児アトピー皮膚炎と小児乾燥型湿疹における流血中好酸球数
A STUDY OF BLOOD EOSINOPHILIA ON ATOPIC DERMATITIS AND DRY FORM OF INFANTILE ECZEMA
姉小路 公久
1
,
町田 栄子
1
,
菅谷 潤子
1
Kinhisa ANEKOHJI
1
,
Eiko MACHIDA
1
,
Masuko SUGAYA
1
1同愛記念病院皮膚科
1Department of Dermatology, Fraternity Memorial Hospital
pp.209-219
発行日 1973年3月1日
Published Date 1973/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201115
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小児乾燥型湿疹における罹患皮膚とアトピー皮膚炎におけるatopic skinとは色々な点,すなわち皮脂分泌機能,発汗機能,アセチールコリンによる遅延蒼白反応などから類似の傾向があるとされている.しかしながら両疾患における流血中好酸球数の態度に関しては比較検討されていない.
アトピー皮膚炎における好酸球増多はすでに多くの成書に記載があるにもかかわらず,わが国ではこれを裏づける検査成績が以外と見当たらないので,まずこの点につき検討したところ,36例(成人17例,小児19例)中26例(72.2%)に好酸球増多を証明した.
次に小児アトピー皮膚炎と同年齢(2〜10歳)の乾燥型湿疹との比較では,前者で19例中12例(63.2%)の好酸球増多に比べ後者では18例中4例(22.2%)と両者間に著しい差を示し,好酸球数は前者で最高2444,後者では768にとどまり,また好酸球百分率は前者で10%以上が7例あるに反し,後者では10%以上のものは1例も認められなかつた.この好酸球増多の明確な差違は,両疾患における炎症の有無と関連があるのではないかと推測される.
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