特集 アレルギーと自己免疫
II.アレルギー疾患
2.アレルギー疾患に共通の検査
8)好酸球数および好酸球成分の測定
須甲 松伸
1
Matunobu SUKOH
1
1東京大学医学部物療内科
pp.97-99
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900813
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はじめに
酸性色素に染まる白血球すなわち好酸球は,1879年Ehrlichによって見いだされた.その後,好酸球は,寄生虫感染症,アレルギー性疾患などの患者の末梢血中に増加することが知られるようになった.しかし,なぜそれらの疾患で増加するのか,好酸球の役割が何かについては最近まで不明であったが,免疫機構により増殖・分化が制御されていること,好酸球の顕粒中に組織傷害性蛋白(MBP,ECPなど)が含まれていることがわかってきた.
これらの蛋白は,アレルギー病変部の組織に沈着して炎症を起こし,病状を悪化させることが推測されている.こうしたことから,各アレルギー性疾患では,好酸球の数の測定に加えてこれらの蛋白量を測定し,疾患と好酸球の関連が調べられている.
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