原著
分娩導誘並びに微弱陣痛に対する下垂体後葉ホルモン(Pitocin及びAtonin)点滴注入療法について
須田 實
1
1関東逓信病院産婦人科
pp.337-344
発行日 1954年6月10日
Published Date 1954/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201040
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緒言
1895年Oliver & Schäferが下垂体後葉ホルモンには,血圧上昇作用があることを認め,次いでDale (1906)が子宮收縮作用のある事をも発表して以来,Bell (1909)は分娩後出血に,Ho-fbauer (1911),Bourne & Burn (1927)等は微弱陣痛に応用して夫々その効果を認め,現今では産科必須の藥剤の一つとして汎く用いられている。
その投与方法には従来皮下注射(Bell, 1909),鼻内投与法(Hofoauer, 1927),油性剤投与(Pa-ge, 1943),少量分割注射(Dieckman, 1942,Eastman, 1947, Reid, 1946)等が行われているが,吸收に個人差があるため量の調節が不充分であり必ずしも安全でないと云う理由の為に,最近Scardron (1948)により,点滴注入法が提唱されるに至つた。
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