原著
子宮癌の放射線治療患者に対するCystine(パニールチン)の効果に就いて
塩見 龍寿
1
1神戸医科大学産婦人科教室
pp.327-330
発行日 1954年6月10日
Published Date 1954/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201038
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現今,婦人科領域に於ける悪性腫瘍患者の治療は,大別して,手術的療法及び放射線療法が行われているが,手術摘出が可能なる限り手術的療法を選ぶのが我々の常識とされ,且つ治癒成績も遙かに良い。然し乍ら手術不能又は再発患者に残された唯一の治療法は,放射線療法を措いてない。而も放射線療法のみを以つて,悪性腫瘍を根治するには,可成り大量,而も長期間に亘つて治療を強行する必要がある。従つて放射線療法に随伴して,副作用として,種々の放射線障碍が起る事は臨床上,我々の屡々経験するところである。
放射線全身障碍の主要なものはレ線宿酔並びに血液変化である。就中血液変化は著明で,殊に白血球及び淋巴球は放射線の影響を蒙ることが大である。此等の現象は,何れも患者を不快ならしめ,且つ治療にたずさわる医師を悩ます事が多い。
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